Technical Dissertation No. 101

【1cmの隙間に潜む】雨戸の戸袋・シャッターボックスがコウモリのねぐらになる理由

監修:害獣トラブル大辞典 専門家ネットワーク

「夜になると窓枠のあたりからカサカサ、キキーという高い音がする」——その音源は、窓のすぐ横にある「戸袋(とぶくろ)」や「シャッターボックス」の中に潜むアブラコウモリの群れかもしれません。

1. 収納スペースという名の「暗黒の隙間」

雨戸を収納する戸袋や、巻き上げ式のシャッターボックスの内部は、常に暗く保たれています。外壁と戸袋の枠の間や、シャッターを下ろすためのスリット部分には、構造上どうしても1cm〜2cmの隙間が生じており、これが「常に開いたままの玄関」として機能しています。

2. ザラザラした外壁材がもたらす「足場」

アブラコウモリは、ツルツルしたガラスや金属にはぶら下がれませんが、戸袋の内部の木材や、昨今流行のザラザラしたサイディング外壁(モルタルなど)は、彼らの鋭い爪を引っ掛けるのに最適な「足場」となります。彼らはこの隙間から侵入し、雨風を凌ぎながら密集してぶら下がります。

3. 建築士が提唱する「稼働を妨げない防獣ブラシの設置」

コウモリの糞は放置すると金属を錆びさせ、窓を開けるたびに強烈な獣臭が室内に流れ込みます。百科事典が推奨するのは、忌避スプレーで完全に追い出した直後に、雨戸やシャッターの開閉(稼働)を妨げない「専用の防獣ブラシ」や「隙間塞ぎ材」を精緻に設置する物理的封鎖です。

【建築士の視点】
戸袋やシャッター周りの隙間をガムテープなどで無理やり塞ぐと、雨水の排水経路を塞いでしまい、窓枠内部での結露や腐朽(木部の腐り)を引き起こします。窓の機能と建物の排水構造を殺さずに、コウモリだけを物理的にシャットアウトする「ブラシ材」などの選択がプロの技術です。
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