「築浅の家で、生ゴミも出していないのにネズミが出た」——現代の住宅事情において、この現象は決して珍しくありません。外壁から伸びるエアコンの配管の裏側、そこが彼らの「隠された裏口」となっています。
1. 紫外線で収縮する「エアコンパテ」の宿命
エアコンを設置する際、外壁に開けた穴(配管スリーブ)とパイプの隙間は、粘土状の「パテ」で塞がれます。しかし、このパテは直射日光や雨風の影響で数年で硬化・収縮し、壁との間に隙間を生じさせます。施工時の押し込みが甘い場合、壁の内部(断熱材の空間)が外と直結した状態になります。
2. クマネズミは「室内の気流と匂い」を察知する
高所で活動するクマネズミは、壁面や配管を容易に伝い歩きます。彼らは、劣化したパテの僅かな隙間から漏れ出す「室内の暖かい空気」や「食べ物の匂い」を敏感に察知します。そして、硬くなったパテを鋭い歯で容易に噛み砕き、断熱材の中をハイウェイのように移動して天井裏へと到達するのです。
3. 建築士が提唱する「物理的カバー工法」の重要性
粘着シートや毒餌は対症療法に過ぎません。百科事典が推奨するのは、ネズミが嫌がる成分(カプサイシンなど)を練り込んだ「防鼠パテ」での再充填と、その上から金属製・硬質樹脂製の配管カバー(ウォールカバー)をビス留めする、二段構えの物理的封鎖です。
【建築士の視点】
配管貫通部の隙間は、ネズミの侵入ルートであると同時に、住宅の「気密性(C値)」を著しく低下させる熱損失の大きな原因です。ここを完全に密閉することは、害獣防除だけでなく、壁体内結露を防ぎ、エアコンの空調効率を劇的に改善する省エネリフォームでもあります。
配管貫通部の隙間は、ネズミの侵入ルートであると同時に、住宅の「気密性(C値)」を著しく低下させる熱損失の大きな原因です。ここを完全に密閉することは、害獣防除だけでなく、壁体内結露を防ぎ、エアコンの空調効率を劇的に改善する省エネリフォームでもあります。